偉大な農学者の鈴木孝幸という、いかつい顔のおっちゃん

こんにちは。
黒ムクナくんです。

今日は、
ボクを育ててくれた人の話をするね。


その人の名前は

鈴木孝幸。

日本人の農学者だ。

でもこの人、
普通の農学者とはちょっと違う。

なにしろ活動している場所が
ペルーのアマゾンなんだ。



しかも初めて会う人は、
だいたいこう思う。

「この人、いかつい顔だな…」


本人には内緒だけど。

でも実はこの人、
とんでもないことをやってきた人なんだ。

鈴木さんは
東京農業大学を卒業したあと、単身ペルーへ渡った。

日本から見れば
地球の裏側。

言葉も違う。
文化も違う。

しかも活動する場所は
アマゾン。

暑くて、
雨が多くて、
虫も多い。

そんな場所で
農業や研究を続けてきた。


慣れない環境。
言葉の壁。

そしてアマゾンの自然。

そんなもの全部と
長年戦ってきたから、

もしかすると
あの顔になったのかもしれない。

鈴木さんのすごい仕事の一つが

ピラルクの完全養殖。


ピラルクは
アマゾンに生息する巨大魚で、
体長が 2メートルを超えることもある。

これまで「養殖成功」と言われていた例の多くは、

川で捕まえた稚魚を
池で育てる方法だった。

つまり
本当の意味での養殖ではなかった。

ところが鈴木さんは

養殖池で育てた親ピラルクに
池の中で稚魚を産ませ、
その稚魚を育てることに成功した。


これが
完全養殖。

天然資源に頼らず
持続的に育てることができる。

さらに

完全養殖で
ワシントン条約(CITES)をクリアしたことで、輸出も可能になった。

※ピラルクはワシントン条約の対象種

アマゾンの資源を
守りながら利用する。

これは
その大きな一歩だったんだ。

ちなみにピラルクの研究は
最初から計画して始まったわけじゃない。

ある日、
お金に困った先住民たちが

「これ、買ってくれないか」

と言って
魚を持ってきた。

それが
ピラルクだった。

鈴木さんは
それを買い取り、

「これは面白い」

と研究を始めた。

そこから
長い研究が始まったんだ。

鈴木さんが見ているのは
魚だけじゃない。

アマゾンには
まだ世界であまり知られていない
植物がたくさんある。

例えば

カムカム。


アマゾンに自生する果物で、
ビタミンCが多いことで知られている。

カムカムを栽培する仕事を作ることで
貧しい農民を

コカ栽培(麻薬ビジネス)から救った

という話も有名なんだ。

そしてもう一つ。

アマゾンで育つ
ちょっと変わった豆がある。

それが

黒ムクナ。


つるが勢いよく伸び、
力強く成長する
栄養価の高い植物だ。

実はこの黒ムクナ、
カムカムの緑肥に使おうとしていたんだ。
緑肥とは、畑の土を元気にするために育てる植物のこと。

その植物を食べるのではなく、
育てたあと土に混ぜることで、
栄養をふやして土をよくする肥料なんだ。

それでカムカムと一緒のところで育てていたわけ。

ところが黒ムクナが勢いよく育ちすぎて
カムカムを枯らしてしまった。

仕方なくそのまま放置していたら
花が咲き、さやが出来て
中を見たら光沢のある
見事な黒ムクナができていた。

黒ムクナの生命力に興味を持った鈴木さんは
あれこれ調べたり研究するうちに
「これはすごい」と、
ボクたち黒ムクナにとても興味を持った。

つまりカムカムという商品が枯れてしまったことで、
黒ムクナという新しい商品が誕生したというわけ。

そしてやはり先住民の人達に
黒ムクナの栽培を指導して
仕事を作ってあげている。

正直に言うと、
鈴木さんは

いかつい顔だ。

でも

アマゾンで何十年も
自然と向き合い、
研究と農業を続けてきた人でもある。

多くの貧しい人たちを救ってきた
アマゾンのヒーローでもある。

だからボクは思う。

見た目はいかつくても
やっていることは

かなり偉大。

それが

偉大な農学者
鈴木孝幸というおっちゃん。


そして黒ムクナも
そんな鈴木さんが
アマゾンで育てている豆なんだよ